STUDY GUIDE · 画像処理

期末試験対策 · 2026-07-22 4限

画像処理
教科書ノート

第1問は第1〜13回を通した基礎語句。計算の主戦場は第8〜13回(杉村)の §2〜§6。各概念は定義→使う→例題→解法→なるほど(完成例→フェード)。ベクトル化は試験対象外。

出題範囲 · 今日のモード

出題範囲・試験情報

試験情報
日時7月22日(水)4限
場所2号館大講義室B
解答時間70分
持ち込みすべて不可(スマートウォッチ等の通信機能付きも不可)
座席前から詰める/後ろ不可/隣り合わない/学生証必須
試験内容 ↔ 本サイトの章
  1. 第1問 · 語句の説明(第1〜13回・全回の基礎)→ §1 基礎用語用語集
  2. 第2問 · 空間フィルタリング(畳み込み+考察)→ §2・足場かけ型D
  3. 第3問 · 劣化と復元 または 2値画像処理§3 復元 / §4 2値
  4. 第4問 · テンプレートマッチングの応用§5・足場かけ型B
  5. 第5問 · ミーンシフト法の応用§6・足場かけ型C

計算問題は練習問題の類題が出る。§7は主5問外の周辺知識。例題の複製はしない(同じ§へリンク)。

本サイトの対策方針
第1問(語句)第1〜13回全体の基礎語(§1・用語集)。計算は各章へ
第1〜7回(塩田)空間周波数・濃淡・フィルタ種別など(§1前半)
第8〜13回(杉村)語句も§1後半/計算は第2〜5問(§2–§6)
重点フィルタ計算と考察、逆/ウィナー、輪郭追跡、TM、ミーンシフト
出ない画像のベクトル化

今日のモード

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第N問で攻める

第1問

語句の説明

第1〜13回の基礎語句。定義を一文+効きの一言(計算は各章)。

第3問 · 二者択一

劣化と復元 / 2値画像処理

本番はどちらか一方。復元なら §3、2値なら §4。両方の例題をここに複製しない。

復元: \(G=FH\)・ウィナー。2値: 連結・輪郭・ラベリング。

第4問

テンプレートマッチングの応用

SSD表→最小位置(中心か左上か確認)。

対応表の正本は 出題範囲。周辺知識は §7

0

ゼロ起点 Primer — 初めての用語

なぜこのノートか 観測画像はぼけ・雑音・幾何ずれを含む。フィルタ・復元・検出で「使える情報」に直すのが本科目の一本線。 各概念は 定義 → この定義を使う → 例題(問)→ 解法 → なるほど。抽象解説を例題の前に置かない。
定義 画素・空間周波数・畳み込み・PSF・逆/ウィナー・SSD・ミーンシフト。この語彙があれば計算問題の日本語が読める。
この定義を使う 3×3の積和を1回。SSDを1窓。\(W=H^{*}/(|H|^{2}+1)\) に数字を1回代入——定義を答案に書く直前の「宣言」。
例題 章本文の【問】は試験・宿題の類題。数値・行列が明示されているものを選んで手を動かす。
なるほどポイント 空間フィルタ=近くを見て直す。周波数=模様の細かさ。マッチング=型紙。ミーンシフト=似た色へ寄る。 学習ルート(70分想定): 速習→§1で全回語句を流す→§2,3,5,6の例題を解法ごと精読→足場かけ→診断。ベクトル化はスキップ。
試験答案の型 語句は定義→効きの一言。計算は定義の式→数値代入→結果の意味。この順が配点の型そのもの。

直前1枚速習

論点キーワード
第1問語句(L1–13)空間周波数・濃淡/畳み込み・フィルタ種別/PSF・逆・ウィナー/2値・連結/TM・SSD/ミーンシフト
第2問空間フィルタ畳み込み・平滑化 vs 先鋭化・考察(ぼけ/ノイズ)
第3問復元 or 2値\(G=FH\)、ウィナー \(W=H^{*}/(|H|^{2}+\Gamma)\)/4・8連結・輪郭・LUT
第4問TMSSD最小(中心か左上か確認)/SAD/NCC
第5問ミーンシフトエパネックニコフ、hs/hd、加重平均へ移動
除外ベクトル化・細線化手順の暗記は出ない

学ぶ — 章 TOC

出題範囲・試験情報今日のモード第N問で攻める§1 基礎用語(第1問)§2 空間フィルタ(第2問)§3 劣化と復元(第3問)§4 2値・輪郭(第3問)§5 テンプレートマッチング(第4問)§6 ミーンシフト(第5問)§7 ハフ・符号化(補足)用語集(第1問)足場かけ(第2〜5問)確信度診断(全問)
1

基礎用語(第1〜13回を通した語句)

なぜこの章か 期末の先頭は「語句の説明」になりやすい。塩田(L1–7)の空間周波数・濃淡だけでなく、杉村(L8–13)の劣化・2値・TM・ミーンシフトまで、定義+短い具体例で言えるかが鍵。深い手計算は各章(§2〜§6)へ。教材 L1–L13
1a

空間周波数

定義 空間周波数(くうかんしゅうはすう)とは、画像の中で輝度(きど=明るさ)がどれだけ細かく変化するかの尺度。 場所によって明るさがコロコロ変わる(細かい模様・鋭いエッジ=明暗の境目)ほど高周波が多く、 なだらかな陰影のようにゆっくり変わる部分は低周波が多い。
(周波数の中身のことを帯域・たいいき=bandと呼ぶ。「高周波帯域」=細かい変化のぶん、というだけの言い方。)
この定義を使う この定義を使うと、「ぼけた/エッジが立った/ノイズが多い」といった見た目を、 「どの帯域(高周波か低周波か)が増えた・減った」という言葉に言い換えられる。以降の復元やフィルタの考察は、すべてこの帯域の話に戻ってくる。
例題 【問】次の3枚を、空間周波数の高低で分類し、理由を1文で書け。
(A) ピントが合ったエッジ写真 (B) 強くぼかした同じ写真 (C) 塩胡椒ノイズだけ乗せた平坦画像
解法

求めるもの: 各画像を高/低周波で分類し、理由を1文ずつ。

使う定義・式(答案の先頭行): 空間周波数=輝度変化の細かさ。急変=高周波、なだらか=低周波。

  1. (A) エッジ=急変 → 高周波が多い
  2. (B) ぼけで細かい変化が落ちる → 高周波減衰・低周波支配
  3. (C) 平坦+塩胡椒 → 構造は低周波のまま、局所急変=高周波ノイズ増
最終答え (A)高周波多い/(B)高周波減衰/(C)高周波ノイズ増(構造は低周波)。

答案に書く文(完成例): 「ぼけ=高周波減衰。ノイズの粒=高周波の局所急変。」

部分点: 「ぼけ=高周波減衰」の対応1語でも語句点の半分は取りにいける。

教材 L2–L4
なるほどポイント 定義の「細かさ」を見た目に直結させるのが得点ポイント。復元・フィルタの考察はすべて帯域の話に戻る。 試験の語句では「ぼけ=高周波減衰」と一文で結べればよい。 教材 L2–L4
1b

明るさ変換とコントラスト変換

定義 線形濃淡変換 \(f'=af+b\) において、明るさ変換は全体の平行移動(主に \(b\))、 コントラスト変換は差の拡大・縮小(主に傾き \(a\))である。
\(f' = af + b\)
(1)
この定義を使う この定義を使うと、与えられた \(a,b\) から「明るくなるか/コントラストが強まるか」を数値で判定できる。
例題 【問】\(a=2,\,b=-30\) を画素値 \(f=100\) に適用したときの \(f'\) を求めよ。 また \(a>1\) と \(b>0\) がそれぞれ何を変えるかを答えよ。出力は 0〜255 でクリップされるとする。
解法

求めるもの: \(f'\) の数値と、\(a,b\) が変える量の説明。

使う定義・式(答案の先頭行): \(f'=af+b\)。\(a\)=コントラスト(傾き)、\(b\)=明るさ(切片)。0〜255でクリップ。

  1. \(f'=2\cdot100-30=170\)(範囲内なのでクリップ不要)。
  2. \(a>1\) → 差が拡大=コントラスト強調(\(0<a<1\) なら弱め)。
  3. \(b>0\) → 全体が明るく、\(b<0\) → 暗くなる。
  4. 検算例: \(f=200\) なら \(370\to255\)(クリップを答案に書く)。
最終答え \(f'=170\)。\(a>1\)=コントラスト強調、\(b>0\)=明るさ増加。

部分点: 式 \(f'=af+b\) と代入があれば、用語の言い回しが多少違っても点が残る。

教材 L4–L5
なるほどポイント 定義の \(a\) と \(b\) を「傾き/切片」に対応づけたところが使いどころ。 ヒストグラムが中央に固まる=コントラスト不足、全体が暗い=明るさ不足、と対応づける。 教材 L4–L5
1c

空間フィルタと周波数フィルタ

定義 空間フィルタは近傍画素の重み付き結合。周波数フィルタは DFT 後のスペクトル操作。 どちらも「どの帯域を残すか」が本質だが、実装の舞台が空間か周波数かが違う。
この定義を使う この対比を使うと、第1問の語句で「平均化=空間の低域通過」と一言で結べる。
例題 【問】次の処理を「空間/周波数」のどちらか(または両方の言い換え)で分類せよ。
(1) 3×3 平均化 (2) DFT 後に高周波係数をゼロにして逆変換 (3) 先鋭化カーネルの積和
解法 (1) 空間フィルタ。効果の言い換え=低域通過(高周波を抑える)。
(2) 周波数フィルタ。低域通過。
(3) 空間フィルタ。効果の言い換え=高周波強調(先鋭化)。
なるほどポイント 第2問以降の手計算は空間側が中心。第1問は両語の対比が問われやすい。 ベクトル化・細線化の手順暗記は本試験の主戦場ではない(out-of-scope)。 教材 L6–L7
1d

畳み込みと空間フィルタの種別

定義 畳み込みはカーネルと画像の対応要素の積和。線形の空間フィルタはこの演算で表す。 代表種別: 平均化/ガウシアン(平滑化=低域通過)、先鋭化/ラプラシアン(高周波強調)、 メディアン(非線形・中央値。塩胡椒ノイズに強い)。
この定義を使う 語句では「何をする演算か」「平滑化と先鋭化の違い」「メディアンが線形でない理由」を一文で言う。
例題 【問】次を語句で答えよ。
(1) 畳み込みとは何か(1文)。(2) 平均化の典型副作用。(3) メディアンが向くノイズ。
解法 (1) 近傍とカーネルの対応要素を掛けて足す演算(線形空間フィルタの基本)。
(2) ノイズは減るがエッジもぼける。
(3) 塩胡椒ノイズ(外れ値)。中央値なので極端値が平均に引きずられない。
なるほどポイント 手計算の表埋めは §2。第1問は「積和/平滑化=ぼけ/先鋭化=立ち/メディアン=非線形」のラベル付けが配点。 教材 L6–L8
1e

劣化関数・PSF・逆フィルタ・ウィナー

定義 観測画像は原画像 \(f\) に劣化(空間では畳み込み、周波数では積 \(G=FH\))が乗ったものとみなす。 劣化のカーネルを点拡がり関数(PSF)/劣化関数と呼ぶ。 逆フィルタは \(K=1/H\) で戻すが \(H\approx0\) で発散し雑音が増幅する。 ウィナーフィルタは復元誤差を最小化し、雑音項 \(\Gamma\) で正則化する。
この定義を使う 語句では「劣化=畳み込み/積」「PSF=点の広がり」「逆=危険」「ウィナー=誤差最小+雑音考慮」を対で覚える。
例題 【問】次を1文ずつ説明せよ。
(1) PSF (2) 逆フィルタが危険な理由 (3) ウィナーが逆と違う点
解法 (1) 点が像面上でどう広がるかを表す劣化カーネル(焦点ぼけのモデル)。
(2) \(H\) がゼロに近い帯域で \(1/H\) が発散し、わずかな雑音も巨大に増幅される。
(3) 雑音を表す \(\Gamma\) などで正則化し、復元誤差(平均二乗など)を小さくする方針。
なるほどポイント 数値代入(DFT→\(W\)→IDFT)は §3。第1問は定義と「なぜ逆だけではダメか」が本線。 教材 L8
1f

2値化・連結性・ラベリング・輪郭追跡

定義 2値化は閾値などで前景/背景の2値にする処理。4連結は上下左右、8連結は斜めも含む隣接定義。 ラベリングは連結成分ごとに番号を付け、衝突は LUT で結合する。 輪郭追跡は境界画素を一定規則で辿り輪郭列を得る。
この定義を使う 語句では「2値の意味」「連結の違いで個数が変わる例」「ラベリングと輪郭の目的」を短く言えるかが鍵。
例題 【問】(1) 斜めだけつながる2前景は、4連結と8連結で連結成分数はどう違うか。
(2) ラベリングと輪郭追跡の目的を各1文で。
解法 (1) 4連結なら2個(非連結)、8連結なら1個(斜めで隣接)。
(2) ラベリング=塊ごとに番号付けて数え・分離する。輪郭追跡=境界の画素列を抽出する。
なるほどポイント 手順の手計算は §4。第1問は用語の定義と4/8の対比例で足りる。 教材 L9
1g

テンプレートマッチングと SSD/SAD/NCC

定義 テンプレートマッチングは標準パターン(テンプレート)を画像上でずらし、類似位置を探す。 相違度の代表は SSD(差の二乗和・小さいほど一致)と SAD(絶対値和)。 類似度の代表は NCC(正規化相互相関・完全一致で1)。
この定義を使う 語句では「ずらして比べる」「SSD=相違度で最小が答え」「NCC=類似度で最大」を混同しない。
例題 【問】(1) TM の目的を1文で。(2) SSD と NCC の「良い一致」の判定の違い。(3) SAD を一言で。
解法 (1) テンプレートと同じ模様が画像のどこにあるかを位置検出する。
(2) SSD は値が小さいほど一致(最小位置)。NCC は大きいほど一致(最大、理想は1)。
(3) 差の絶対値和。SSD より軽いことがある相違度。
なるほどポイント 全候補の表埋めは §5。第1問は定義と SSD/NCC の向き(最小/最大)の取り違え防止。 教材 L11
1h

ミーンシフト(語句)

定義 ミーンシフトは、空間・特徴(色など)の近傍でカーネル重み付き平均を取り、 標本を密度の高い方向へ反復移動する手法。平滑化やセグメンテーションに使う。 帯域幅 hs(空間)・hd(色)が大きいほど近傍が広がり、平滑化が強まる。
この定義を使う 語句では「加重平均の位置へ動かす」「hs/hd=帯域幅」まで言えればよい。
例題 【問】(1) ミーンシフトの1ステップで何をするか。(2) hs, hd を大きくすると一般にどうなるか。
解法 (1) カーネル重み付き平均(平均シフト先)へ標本を移動する。
(2) 寄与する近傍が広がり、平滑化が強まる(細部が潰れやすい)。
なるほどポイント エパネックニコフ核の数値更新は §6。第1問はアルゴリズムの一言定義+帯域幅の効き。 教材 L10
試験答案の型 語句は「定義→(対比または短い一例)→何に効くか」。計算表埋めは各章。用語の正確さが第1問の配点の中心。
2

空間フィルタリング(畳み込み)

なぜこの章か この章は試験の計算の中心。とはいえやることは「カーネルを重ねて掛けて足す」だけ。まず 2a で言葉と記号をそろえ、2b で1画素、2c で複数画素と考察へと段階的に進む。いきなり式に入らず、道具の名前が分かってから手を動かせば必ず解ける。
2a

まずは言葉と記号から(ゼロ起点)

この章で初めて出る言葉 いきなり式を見る前に、道具の名前をそろえる。ここが分かれば以降の計算は「同じ作業のくり返し」になる。
  • 画素(がそ・pixel): 画像を作る一番小さいマス。1マスに明るさの数値が1つ入っている(例: 0=黒〜255=白)。
  • 近傍(きんぼう): ある画素の「まわり」。3×3近傍なら、注目画素とその周囲8マスの計9マス。
  • カーネル(kernel=核)/マスク: フィルタの中身を表す小さな数値の表(例: 3×3の重み)。「どのマスをどれだけ重視するか」を並べたもの。フィルタ=処理の名前、カーネル=その中身の数表と考えればよい。
  • 積和(せきわ): 「対応するマスどうしをかけ算して、それを全部たす」こと。かけて足す、の一言。
  • 畳み込み(たたみこみ・convolution): 画像にカーネルを重ねて積和し、その結果を出力画素にする操作。記号は ∗(アスタリスク)で \(g=f\ast h\) と書く(\(f\)=元画像, \(h\)=カーネル, \(g\)=出力)。
記号の読み方 式に出る記号も先に読めるようにする。
  • \(\sum\)(シグマ)=「全部たす」の合図。\(\sum_{i,j}\) は「\(i,j\) を動かして全マスを合計」。
  • \(\ast\)(アスタリスク)=ここでは掛け算ではなく畳み込み
  • \(f(x,y)\)=位置 \((x,y)\) の画素の明るさ。\(h(i,j)\)=カーネルの \((i,j)\) の重み。
なるほどポイント やることは毎回同じ。カーネルを画像に重ねる→重なったマスどうしを掛ける→全部たす→そのマスの新しい値。 次の 2b でこの作業を1画素、2c で複数画素に広げるだけ。難しい言葉は増えない。
2b

畳み込み(積和)を1画素でやってみる

定義 出力画素の値は、カーネル(3×3の重みの表)を画像に重ねたときの積和=「重なったマスどうしを掛けて、全部たした数」である。 これを式で書くと \(g=f\ast h\)(\(\ast\) は畳み込み)。線形フィルタ(足し算と定数倍だけでできるフィルタ)はこの積和で表せる。 一方 メディアンフィルタ(近傍の中央値を取るフィルタ)は「並べて真ん中を選ぶ」ので積和では書けない=非線形、と区別する。
\(g(x,y)=\sum_{i,j} f(x-i,y-j)\,h(i,j)\)
(2)
この定義を使う つまり、小さな画像パッチ(切り出した数マス)とカーネルが与えられたら、上の「掛けて足す」を1回やるだけで注目画素の出力が出る。 下の例題では、その1回を丁寧に追う。まずカーネルの数字がどこに重なるかを確認してから掛け算に入るのがコツ。
例題 【問】画像パッチ \[ F=\begin{pmatrix}1&2&3\\4&5&6\\7&8&9\end{pmatrix},\quad H=\begin{pmatrix}0&-1&0\\-1&5&-1\\0&-1&0\end{pmatrix} \] の中心画素(対応する出力)を、畳み込み(要素ごとの積和)で求めよ。境界はパッチ内だけを使う。
解法

求めるもの: 中心画素の畳み込み出力 \(g\)(スカラー1つ)。

使う定義・式(答案の先頭行): 畳み込み \(g=\sum_{i,j} F_{ij}\,H_{ij}\)(対応要素の積和)。先鋭化カーネル \(H\) を \(F\) の中心に重ねる。

手順(1行ずつ積和)
  1. 重ね方を宣言: \(H\) の中心5を \(F\) の中心5に合わせる(ずれなし)。
  2. 1行目: \(0\cdot1+(-1)\cdot2+0\cdot3=-2\)。
  3. 2行目: \((-1)\cdot4+5\cdot5+(-1)\cdot6=-4+25-6=15\)。
  4. 3行目: \(0\cdot7+(-1)\cdot8+0\cdot9=-8\)。
  5. 合計: \(-2+15+(-8)=5\)。
最終答え 中心画素の出力 \(=\mathbf{5}\)。

答案に書く文(完成例): 「先鋭化カーネルを中心に重ね、行ごとの積和 \(-2+15-8=5\)。中心は元の5のまま。」

部分点: 重ね位置の宣言と1行分の途中式が書いてあれば、合計ミスでも過程点を取りにいける。

教材 L6–L7
なるほどポイント やったことは定義の「対応するマスを掛けて足す」1回だけ。むずかしさは無い。 行と列の対応を1つでもずらすと答えが変わるので、重ねる位置の確認が最重要(ここが減点の最頻出)。 答案の型: (1) どのカーネルか書く (2) 重なりを1行ずつ積和 (3) 指定された画素すべてで繰り返す (4) 出た数字が「明るくなった/暗くなった」など意味を一言。 なお画像の端では3×3が画像からはみ出す。そのとき「はみ出し分を0にする(ゼロ埋め)」「端の値をコピー(複製)」など、問題文の指示に従うと明記する。 教材 L6–L7
フェード(途中まで) 同じ \(F\) に平均化 \(H=\tfrac19\begin{pmatrix}1&1&1\\1&1&1\\1&1&1\end{pmatrix}\) を掛けた中心は \(\tfrac19(1+2+\cdots+9)=\tfrac{45}{9}=\square\)。
解答

求めるもの: 平均化後の中心画素。

使う式: \(g=\tfrac19\sum F_{ij}\)。

  1. \(1+2+3+4+5+6+7+8+9=45\)。
  2. \(45/9=5\)。
最終答え中心 \(=\mathbf{5}\)。平滑化でも中心が変わらないのは、このパッチが線形ランプ(定数勾配)だから。エッジのある画像ではピークが下がる。
2c

平滑化と先鋭化のちがい(複数画素+考察)

定義 カーネルの中身で効果が決まる。平滑化(へいかつか)フィルタは重みが全部プラスで合計がほぼ1(例: 全部 \(1/9\) の平均化)。 まわりと混ぜてなめらかにする=ぼかす。細かい変化(=高周波)を弱めるので低域通過(ローパス)とも呼ぶ(「低い周波数=ゆるい変化だけ通す」の意味)。
先鋭化(せんえいか)フィルタは中心の重みが大きく、まわりがマイナス(例: 中心5・上下左右 \(-1\))。 となりとの差を強調してエッジをくっきりさせる=高周波強調(ハイパス寄り)
試験では1画素で終わらず、計算できる場所すべての出力を表に書き、数値の差から何が起きたかを説明するところまで求められる。
この定義を使う この違いを使うと、明るい点(ピーク)の近くで出力を並べたとき「平滑化=ピークが下がってぼける」「先鋭化=ピークがさらに跳ね上がる」と数値で言える。 ここでオーバーシュートという言葉が出る。これは先鋭化のやりすぎで、本来の明るさを通り越して隣がマイナス(黒沈み)になる現象のこと。下の表で「隣が負になる」ところがまさにそれ。
例題 【問】(第2問想定・複数出力) \[ I=\begin{pmatrix} 2&2&2&2\\ 2&2&2&2\\ 2&2&10&2\\ 2&2&2&2 \end{pmatrix} \] に (A) 平均化 \(H_a=\tfrac19\mathbf{1}_{3\times3}\) と (B) 先鋭化 \(H_s=\begin{pmatrix}0&-1&0\\-1&5&-1\\0&-1&0\end{pmatrix}\) を、境界を使わず有効な 2×2 出力(カーネルが画像内に収まる位置)すべてに適用せよ。 出力表を埋め、ピーク付近で何が起きたかを2文で考察せよ。
解法

求めるもの: 有効4位置の (A)(B) 出力表+ピーク付近の考察2文。

使う定義・式(答案の先頭行): (A) \(g=\tfrac19\sum\) 近傍9画素。(B) \(g=5I_c-\)(上下左右の4隣)。中心は0始まりで \((1,1),(1,2),(2,1),(2,2)\)。

① (A) 平均化 — 各位置の和→割る
  1. 左上中心 \((1,1)\): 近傍はすべて2と、右下に10がまだ入らない配置ではなく、実際の3×3は \(\begin{pmatrix}2&2&2\\2&2&2\\2&2&10\end{pmatrix}\)。和 \(=26\)、\(g=26/9\)。
  2. 右上・左下・右下も同じ「2が8個+10が1個」の配置になる → すべて \(26/9\approx2.89\)。
② (B) 先鋭化 — 4位置を個別に
  1. 左上中心 \(I_{1,1}=2\): \(5\cdot2-2-2-2-2=10-8=\mathbf{2}\)。
  2. 右上中心 \(I_{1,2}=2\): 下隣が \(I_{2,2}=10\) なので \(5\cdot2-2-2-2-10=10-16=\mathbf{-6}\)。
  3. 左下中心 \(I_{2,1}=2\): 右隣が10なので同様に \(\mathbf{-6}\)。
  4. 右下中心 \(I_{2,2}=10\): \(5\cdot10-2-2-2-2=50-8=\mathbf{42}\)。
列1列2
行1(A) \(26/9\) (B) \(2\)(A) \(26/9\) (B) \(-6\)
行2(A) \(26/9\) (B) \(-6\)(A) \(26/9\) (B) \(42\)
③ 考察(数値を指さして書く)
最終答え (A) 全有効画素 \(26/9\approx2.89\)。
(B) \(\begin{pmatrix}2&-6\\-6&42\end{pmatrix}\)。

答案に書く文(完成例): 「(A) ピーク10が \(26/9\) まで下がり、明暗差が消えてぼけた。」/ 「(B) ピークが42まで立ち、隣が \(-6\) と負になったのでオーバーシュートが起きている。」

部分点: 表が一部空でも、ピーク位置の途中式と「ぼけ/立ち/オーバーシュート」の語句があれば考察点を拾える。

数値検算済
なるほどポイント 答案の型は「表を埋める→数値の大小を根拠にぼけ/立ちを言葉にする」。1画素だけの計算で止めない。 「大きくなった/小さくなった/負になった」と数値を指さして説明すると、考察点が確実に入る。 先鋭化はノイズ(本来無い細かい点)も一緒に強調してしまう弱点がある、と一文添えると加点されやすい。 数値検算済
フェード 同じ \(I\) で (B) の左上出力が 2 になる途中式の「中心項」は \(5\cdot\square\)。
解答
  1. 中心は \(I_{1,1}=2\) → 中心項 \(5\cdot2=10\)。
  2. 上下左右はすべて2 → 周囲寄与 \(-2\times4=-8\)。
  3. \(10-8=2\)。
最終答え\(\square=2\)(中心項 \(5\cdot2=10\))。
試験答案の型 (1) どのカーネルか書く (2) 重なりを1行ずつ積和(途中式を残す) (3) 指定/全有効画素を表に (4) 数値の大小を根拠に考察(ぼけ・エッジ・オーバーシュート)。
3

劣化と復元(逆・ウィナー)

なぜこの章か ぼけ・ぶれで劣化した画像を戻す章。まず 3a で登場人物と記号(\(f,g,h\)・DFT・\(H^{*}\)・\(\Gamma\))をそろえ、3b で「単純に割る逆フィルタ」の弱点を知り、3c でその弱点を直したウィナーに進む——という不満→改良の一本道で読める。計算の型は problem8 系がそのまま使える。
3a

まずは言葉と記号から(ゼロ起点)

この章の登場人物 「劣化した画像をきれいに戻す(復元)」のが目標。まず登場する画像・関数の名前をそろえる。
  • 原画像 \(f\): 本当はこう写るはずだった、ぼける前のきれいな画像。
  • 劣化画像 \(g\): 実際に撮れた、ぼけ・ぶれで悪くなった画像(手元にあるのはこれ)。
  • 劣化関数 \(h\)(=PSF): 「どうぼけたか」を表すカーネル。PSF(Point Spread Function・点拡がり関数)とは「1点の光が像の上でどれだけにじんで広がるか」を表したもの。にじみ方=ぼけ方なので、これが劣化の正体。
  • 雑音(ノイズ): 撮影時に乗る細かいランダムな乱れ。復元をじゃまする。
記号の読み方(ここが山場)
  • \(\ast\)(アスタリスク)=畳み込み(§2でやった「重ねて掛けて足す」)。空間領域では劣化は \(g=f\ast h\)。
  • DFT(離散フーリエ変換)=画像を「どんな細かさの波がどれだけ入っているか(=周波数)」に置きかえる変換。大文字 \(F,H,G\) は \(f,h,g\) をDFTした周波数の世界での姿
  • 畳み込み定理=「空間での畳み込み \(\ast\) は、周波数の世界ではただの掛け算になる」という便利な性質。だから \(g=f\ast h\) は周波数では \(G=FH\)(単純な積)。復元が掛け算・割り算で扱えるのはこのおかげ。
  • \(H^{*}\)(エイチ・スター)=\(H\) の複素共役(虚部の符号を反転したもの。実数なら \(H^{*}=H\))。
  • \(|H|^{2}\)(絶対値の二乗)=\(H\) の大きさの二乗(\(H\,H^{*}\))。必ず0以上の実数になる。
  • \(\Gamma\)(ガンマ)=雑音の効き具合を表す正の定数。あとで「発散を止めるブレーキ」として使う。
  • \(\hat{F},\hat{f}\)(ハット付き)=復元して推定した \(F,f\)(本物ではなく「戻した結果」の印)。
なるほどポイント 流れは1本道。劣化画像 \(g\) をDFTして \(G\) にする → 周波数ごとに割り算・掛け算で戻す → IDFT(逆DFT)で画像に戻す。 3b の逆フィルタは「単純に割る」方法、3c のウィナーは「割ると危ないので \(\Gamma\) でブレーキをかける」方法、という関係で読むと迷わない。
3b

劣化モデルと逆フィルタ

定義 劣化は「原画像に劣化関数を畳み込んだもの」。式で書くと空間領域では \(g=f\ast h\)。 これを畳み込み定理で周波数の世界に移すと、畳み込みが掛け算になって \(G=FH\)(\(G,F,H\) は \(g,f,h\) のDFT)。
戻したいので \(G=FH\) を \(F\) について解くと \(F=G/H\)。この「\(H\) で割って戻す」考え方が逆フィルタで、\(K=1/H\)、\(\hat{F}=KG\) と書く。
ところが \(H\) の値が0に近い周波数では \(1/H\) がとても大きくなり(発散)、そこにわずかな雑音があると桁違いに増幅されてしまう。ここが逆フィルタの弱点。
\(G=FH,\quad K=1/H\)
(3)
この定義を使う この式を使うと、小さな \(f,h\) を実際にDFTして \(F,H,G\) を数値で出し、「どの周波数で \(H=0\) になり逆フィルタが使えないか」を具体的に指摘できる。 下の例題では 2×2 の小さな画像でこれを1回体験する(大きい画像でも手順は同じ)。
例題 【問】(problem8 系) \[ f=\begin{pmatrix}1&0\\0&0\end{pmatrix},\quad h=\begin{pmatrix}1&1\\1&1\end{pmatrix} \] の 2×2 DFT(numpy `fft2` 相当)で \(F,H,G=FH\) を求めよ。 逆フィルタ \(K=1/H\) が使えない理由を、\(H\) の成分に即して述べよ。
解法

求めるもの: 行列 \(F,H,G\) と、「逆フィルタが使えない」理由の一文。

使う定義・式(答案の先頭行): 劣化 \(G=FH\)(成分ごと積)。逆フィルタ \(K=1/H\)。2×2 DFT(fft2 相当)。

① DFT
  1. \(f\) は左上だけ1 → \(F=\begin{pmatrix}1&1\\1&1\end{pmatrix}\)(全成分1)。
  2. \(h\) は全要素1 → 直流 \(H_{00}=\) 要素和 \(=4\)、他周波数は0。
    \(H=\begin{pmatrix}4&0\\0&0\end{pmatrix}\)。
  3. \(G=FH\)(成分ごと): \(G_{00}=1\cdot4=4\)、他0。
    \(G=\begin{pmatrix}4&0\\0&0\end{pmatrix}\)。
② 逆フィルタの可否
  1. \(K=1/H\) を各成分で作る。
  2. 直流以外は \(H=0\) → \(1/0\) でゼロ除算(発散)
  3. 結論: この \(H\) では単純な逆フィルタは使えない。
最終答え \(F=\begin{pmatrix}1&1\\1&1\end{pmatrix}\), \(H=\begin{pmatrix}4&0\\0&0\end{pmatrix}\), \(G=\begin{pmatrix}4&0\\0&0\end{pmatrix}\)。
逆フィルタ不可(\(H\) の非直流成分が0で発散)。

答案に書く文(完成例): 「\(H\) の高周波成分が0のため \(1/H\) が発散し、わずかな雑音も増幅される。単純な逆フィルタは実用にならない。」

部分点: \(H_{00}=4\) と「他が0」「\(1/0\)」まで書けていれば、行列の細部ミスでも理由点は残る。

教材 L8 / problem8
なるほどポイント 定義の「\(G=FH\)」と「\(K=1/H\)」を数値に落とすと、弱点が具体的に見える形になった。 答案に書く一文: 「\(H\approx0\) の帯域で \(1/H\) が発散して雑音が増幅されるため、単純な逆フィルタは実用にならない」。 この不満が、次の 3c ウィナーで \(\Gamma\) というブレーキを入れる動機になる。前後がここでつながる。 教材 L8 / problem8
3c

ウィナーフィルタ(逆フィルタのブレーキ版)

定義 3b の逆フィルタは \(H\approx0\) で発散するのが問題だった。そこで分母に雑音のぶんの下駄 \(\Gamma\) を足して、0で割れないようにしたのがウィナーフィルタ。試験で使う形は \(W=H^{*}/(|H|^{2}+\Gamma)\)、復元は \(\hat{F}=WG\)。
記号を読み直すと: 分子の \(H^{*}\)=\(H\) の複素共役(実数ならそのまま)、分母の \(|H|^{2}\)=\(H\) の大きさの二乗(必ず0以上)、\(\Gamma\)=雑音の効きを表す正の定数。
\(\Gamma\to0\) にすると \(W\to H^{*}/|H|^{2}=1/H\) となり逆フィルタに一致。\(\Gamma\) を大きくすると分母が増えて \(W\) が小さくなり、ノイズに強いがぼけ気味の復元になる。\(\Gamma\) は「復元の強さ調整つまみ」。
\(\hat{F}=WG,\quad W=H^{*}/(|H|^{2}+\Gamma)\)
(4)
この定義を使う この式を使うと、3b と同じ \(f,h\) に対して、こんどは発散せずに直流成分の \(W,\hat{F}\)、そして画像に戻した \(\hat{f}\) まで最後まで計算しきれる。 分母が \(|H|^{2}+\Gamma\) になっただけで、あとは 3b と同じ「DFT→掛け算→IDFT」の流れ。
例題 【問】(problem8 本体)上と同じ \(f,h\) で \(\Gamma=1\) とする。 \(W_{00}\)、\(\hat{F}_{00}\)、IDFT 後の \(\hat{f}\) の各要素を求めよ。手順(DFT→\(G\)→\(W\)→\(\hat{F}\)→IDFT)を答案に残せ。
解法

求めるもの: \(W_{00}\)、\(\hat{F}_{00}\)、復元画像 \(\hat{f}\) の全要素。手順5段を答案に残す。

使う定義・式(答案の先頭行): \(W=H^{*}/(|H|^{2}+\Gamma)\)、\(\hat{F}=WG\)、最後に IDFT。3b の結果 \(H_{00}=4\), \(G_{00}=4\), 他の \(G=0\) を使う。\(\Gamma=1\)。

手順1–2: DFT と \(G\)(3bの再利用)
  1. \(H_{00}=4\)(実数なので \(H_{00}^{*}=4\))、他の \(H=0\)。
  2. \(G_{00}=4\)、他の \(G=0\)。
手順3: ウィナー \(W\)
  1. 直流: \(W_{00}=4/(|4|^{2}+1)=4/(16+1)=\mathbf{4/17}\)。
  2. 他周波数: \(H=0\) なので \(W=0^{*}/(0+\Gamma)=0\)(分母に \(\Gamma\) があるので発散しない)。
手順4–5: \(\hat{F}\) と IDFT
  1. \(\hat{F}_{00}=W_{00}G_{00}=(4/17)\cdot4=\mathbf{16/17}\)。他の \(\hat{F}=0\)。
  2. IDFT: 直流だけの 2×2 なので各画素は \(\hat{F}_{00}/4=16/17\div4=\mathbf{4/17}\)。
    \(\hat{f}=\dfrac{4}{17}\begin{pmatrix}1&1\\1&1\end{pmatrix}\approx0.235\begin{pmatrix}1&1\\1&1\end{pmatrix}\)。
  3. 考察: 元の \(f\)(左上だけ1)には完全復帰しない。劣化で高周波情報が消えたため。
最終答え \(W_{00}=\dfrac{4}{17}\)、\(\hat{F}_{00}=\dfrac{16}{17}\)、\(\hat{f}\) の各要素 \(=\dfrac{4}{17}\)。

答案に書く文(完成例): 「\(W_{00}=4/(16+1)=4/17\)、\(\hat{F}_{00}=16/17\)、IDFTで各画素 \(4/17\)。\(\Gamma\) により \(H=0\) 帯域でも発散せず、ただし完全復元はできない。」

部分点: 式 \(W=H^{*}/(|H|^{2}+\Gamma)\) の代入と「発散しない理由」があれば、IDFTの細部ミスでも過程点が残る。

AI整理・数値検算済(fft2)
なるほどポイント 定義の分子 \(H^{*}\) と分母の \(\Gamma\) を両方きちんと使えたかがポイント。 よくある減点: (1) 共役 \(H^{*}\) を忘れる (2) \(|H|^{2}\) を \(H^{2}\) と書く(複素数だと別物) (3) \(\Gamma\) が何かを書かない。 類題は \(\Gamma\) の数字だけ変えて出ることが多いので、分母 \(16+\Gamma\) の形を覚えておけば即対応できる。 AI整理・数値検算済(fft2)
フェード 同じ \(f,h\) で \(\Gamma=3\) のとき \(W_{00}=4/(16+\square)=\square\)。\(\hat{F}_{00}=\square\)。\(\hat{f}\) 各要素=\(\square\)。
解答
  1. 分母 \(16+\Gamma=16+3=19\) → \(W_{00}=4/19\)。
  2. \(\hat{F}_{00}=(4/19)\cdot4=16/19\)。
  3. IDFT: 各要素 \(=(16/19)/4=4/19\)。
最終答え\(W_{00}=4/19\)、\(\hat{F}_{00}=16/19\)、各要素 \(4/19\)。
試験答案の型 試験答案は DFT→\(G\)→\(W\)→\(\hat{F}\)→IDFT の順。発散理由と \(\Gamma\) を言語化して締める。
4

2値画像処理・輪郭追跡

なぜこの章か 第3問は「劣化復元(§3)」とこの2値処理の二者択一で出やすい。まず 4a で言葉(2値・連結・ラベリング・LUT・輪郭)をそろえ、4b で物体を数える(ラベリング)、4c でふちをたどる(輪郭追跡)へ進む。共通の鉄則は連結(4か8か)を最初に宣言して最後まで変えないこと——ここがぶれると番号も追跡も全部ずれる。
4a

まずは言葉から(ゼロ起点)

この章で初めて出る言葉 白黒の2色だけの画像から「物体を数える・ふちをたどる」のがこの章。言葉を先にそろえる。
  • 2値画像(にちがぞう): 各画素が前景(対象・ここでは黒)背景(白)の2種類だけの画像。2値化=濃淡画像をある明るさの境目(閾値・しきいち)で白黒に分ける処理。
  • 前景/背景: 前景=数えたい物体の画素、背景=それ以外。本章の例では黒が前景。
  • 連結(れんけつ): 画素どうしが「つながっている」とみなす隣接のルール。4連結=上下左右の4方向だけ隣とみなす。8連結=斜めも入れた8方向を隣とみなす。どちらを使うかで物体の個数が変わる。
  • ラスタスキャン: 画像を左→右、上の行→下の行の順に1マスずつ見ていく走査のしかた(本を読む順と同じ)。
  • ラベリング: つながった前景のかたまり(連結成分)ごとに番号(ラベル)を付けること。物体を数える基本。
  • LUT(Look-Up Table・ルックアップテーブル): 「仮に付けた番号 → 本当の番号」の対応表。走査中は同じ物体に別々の仮番号が付くことがあるので、あとで表を見て統合する。
  • 輪郭追跡(りんかくついせき): 物体のふち(境界)の画素を、決めた向きに順々にたどって並べる処理。
なるほどポイント コツは最初に連結(4か8か)を宣言して、最後までそれを変えないこと。ここがぶれると番号もふちも全部ずれる。 4b はラベリング(数える)、4c は輪郭追跡(ふちをたどる)。どちらも「決めたルールで走査するだけ」で、ひらめきは要らない。
4b

連結性・ラベリング(problem9_3)

定義 まず連結の定義を確認する: 4連結は上下左右のみ、8連結は斜めも含む隣接。
ラベリングの手順は機械的だ。ラスタスキャン(左→右・上→下)で前景画素に出会うたび、 すでに番号が付いている隣(=走査で先に通った 左・左上・上・右上)を見る。 隣に番号が無ければ新しい番号を付け、隣に番号があればその番号をコピーする。 もし違う番号の隣が同時にあれば「この2番号は同じ物体」とLUT(対応表)に記録し、最後にLUTを見て代表番号へまとめ直す。
この定義を使う この手順を使うと、7×7 の宿題図でも迷わず「仮ラベル表 → LUT → 最終表」の3点セットを答案に書き切れる。 ポイントは、走査中に見る隣はまだ番号が付いている(=先に通った)方向だけということ。下の例題でその4方向を実際に確認する。
例題 【問】(problem9_3 同型)7×7・背景白・黒画素(対象)は \((1,1),(2,1),(1,2),(3,2),(2,3),(5,1),(5,2),(6,2)\)(座標は \((x,y)\)=列,行・原点左上)。 8連結ラベリングをラスタ順で行い、仮ラベル画像・LUT・最終ラベル画像を示せ。
解法

求めるもの: 仮ラベル表・LUT・最終ラベル表の3点セット。

使う定義・式(答案の先頭行): 8連結・ラスタ順。走査済み隣は西・北西・北・北東。衝突はLUTで小さい番号へ統合。

① 配置の確認
前景配置(#=黒):
.......
.##..#.
.#.#.##
..#....
.......
.......
.......
② Pass1(仮ラベル)— 画素ごと
  1. \((1,1)\): 走査済み隣に前景なし → 新規1
  2. \((2,1)\): 西が1 → コピーして1。
  3. \((5,1)\): 隣に番号なし → 新規2
  4. \((1,2)\): 北が1 → 1。
  5. \((3,2)\): 北西・北などに1あり → 1(左塊と8連結)。
  6. \((5,2),(6,2)\): 北/西が2 → 2。
  7. \((2,3)\): 北・北西側が1 → 1。衝突なし。
仮ラベル表(0=背景):
0000000
0110020
0101022
0010000
0000000
0000000
0000000
③ LUT と最終表
  1. LUT(衝突なし): \(1\mapsto1\), \(2\mapsto2\)。
  2. 最終表=仮ラベル表と同じ。連結成分は2個(左塊1・右塊2)。
最終答え 仮ラベル上記のとおり。LUTは恒等。最終も左=1・右=2。

答案に書く文(完成例): 「8連結・ラスタ順で仮ラベルを付け、LUTは衝突なし(\(1\mapsto1,2\mapsto2\))。最終も同表で成分2個。」

部分点: 連結=8の宣言とLUT行があれば、1画素のラベルミスでも「統合の考え方」点を残せる。

教材 L9 / problem9_3 ラスタ+8近傍・検算済
なるほどポイント problem9_3 本体はこの配置で LUT 衝突が起きない。試験では「U字で下辺がつながる」型の衝突も出るので、次のフェードで必ず練習する。 減点パターン: 連結を明示しない/LUT を途中で捨てる/最終表まで書かない。 教材 L9 / problem9_3 ラスタ+8近傍・検算済
フェード(LUT衝突ミニ) 5×5・黒が \((1,0),(3,0),(1,1),(2,1),(3,1)\) のとき、\((2,1)\) で仮ラベル □ と □ が衝突。LUT で統合後の代表は □。
解答
  1. \((1,0)\to1\)(新規)、\((3,0)\to2\)(新規)。
  2. \((1,1)\to1\)(北が1)。
  3. \((2,1)\): 西=1・東側に向かう走査で北/北東に2も見える → 1と2が衝突
  4. LUT: 小さい方へ \(2\mapsto1\)。\((3,1)\) も代表1へ。
最終答え衝突は1と2。代表は1。連結成分1個(U字でつながる)。
4c

輪郭追跡(problem9_2)

定義 輪郭追跡は、物体のふち(境界画素)を決めた規則で1つずつたどって並べる処理。 本問の前提を先に固定する: 黒画素が対象・8連結・時計回りに探索。開始点は左上から右へのラスタスキャンで最初に見つかる前景。 一度決めた連結(8)と回り方(時計回り)は最後まで変えない。
たどり方は「Moore近傍(8近傍)を、直前にいた方向から時計回りに見て、最初に当たった前景を次の点にする」。開始点にぐるっと戻ったら終了。
この定義を使う この規則を使えば、小さな2値図でも「①開始点 ②座標を順に並べた列 ③探索規則の説明」の3点を答案に書ける。 「時計回り」「8連結」を最初に宣言しておくと、途中で座標が1つずれても規則が正しければ部分点が残る。下の例題で開始点の見つけ方から順に追う。
例題 【問】(problem9_2 同型)5×5 二値画像で黒画素は \((1,1),(2,1),(1,2),(3,2),(2,3)\)(\((x,y)\)=列,行)。 1. ラスタスキャンで最初に見つかる黒画素(開始点)の座標。
2. 開始点から8連結・時計回り輪郭追跡し、輪郭画素を探索順に列挙。
3. 現在画素から次画素をどう探索するか、簡潔に説明せよ。
解法

求めるもの: 開始点・輪郭座標列・探索規則の3点。

使う定義・式(答案の先頭行): 黒=前景、8連結、Moore近傍を時計回り。開始はラスタ最初の前景。開始に戻ったら終了。

① 配置と開始点
配置:
.....
.##..
.#.#.
..#..
.....
  1. ラスタで最初の黒 = \((1,1)\) → 開始点。
② 輪郭列(1歩ずつ)
  1. 開始 \((1,1)\): 「左(背景)から来た」とみなし、時計回りで最初の前景 → \((2,1)\)
  2. \((2,1)\) から同様 → \((3,2)\)
  3. \((3,2)\) → \((2,3)\)
  4. \((2,3)\) → \((1,2)\)
  5. \((1,2)\) → \((1,1)\)(開始に復帰)→ 終了。
列: \((1,1)\to(2,1)\to(3,2)\to(2,3)\to(1,2)\to(1,1)\)。
③ 探索規則(答案用1文)
最終答え 開始 \((1,1)\)。
列 \((1,1),(2,1),(3,2),(2,3),(1,2),(1,1)\)。
規則: 8近傍を直前方向の直後から時計回りに見て、最初の前景へ進む。

答案に書く文(完成例): 「8連結・時計回り。開始(1,1)。Moore探索で (1,1)→(2,1)→(3,2)→(2,3)→(1,2)→(1,1)。」

部分点: 開始点+「8連結・時計回り」の宣言があれば、列の1点ずれでも規則点を取りにいける。

教材 L9 / problem9_2 Moore時計回り・検算済
なるほどポイント 答案は「開始点・連結=8・時計回り」を冒頭に固定→座標列→規則の一文。座標が1つずれても規則が書いてあれば部分点が残りやすい。 教材 L9 / problem9_2 Moore時計回り・検算済
フェード 開始点の次に来る輪郭画素は □。列挙の最後(開始に戻る直前)は □。
解答
  1. 開始の次 = 時計回り最初の前景 \((2,1)\)。
  2. 開始に戻る直前 = \((1,2)\)。
最終答え次 \((2,1)\)、直前 \((1,2)\)。
試験答案の型 試験答案: 連結定義→走査/追跡の規則→途中経過(仮ラベル・LUTまたは輪郭列)→最終結果。
5

テンプレートマッチング

なぜこの章か 「型紙をずらして一番合う場所を探す」パターン検出の章。まず 5a で言葉(テンプレート・SSD/SAD/NCC・相違度/類似度)と記号をそろえ、5b で SSD の全候補表→最小の読み取り、5c で SAD/NCC との使い分け(明るさ変化への強さ)へ進む。答案の型は定義の式→全候補を表に→最小(NCCなら最大)を選ぶ→中心/左上を確認
5a

まずは言葉と記号から(ゼロ起点)

この章で初めて出る言葉 「探したい模様(型紙)が、画像のどこにあるか」を当てるのがこの章。まず言葉をそろえる。
  • テンプレート \(T\): 探したい模様の見本画像(型紙)。小さな数値の表。
  • テンプレートマッチング(TM): テンプレートを大きな画像の上で少しずつずらして重ね、一番よく合う場所を探すこと。
  • 相違度/類似度: 「どれだけ違うか」=相違度(小さいほど似ている)、「どれだけ似ているか」=類似度(大きいほど似ている)。指標によってどちらか向きが違うので注意。
  • SSD(Sum of Squared Differences・差の二乗和): 重なった各マスの差を二乗して全部たす。相違度なので小さいほど一致、完全一致で0。
  • SAD(Sum of Absolute Differences・差の絶対値和): 差の絶対値(プラスにした値)をたす。SSDより軽い相違度。
  • NCC(Normalized Cross-Correlation・正規化相互相関): 明るさのばらつきで割って揃えた類似度。大きいほど一致、完全一致で1。
記号の読み方
  • \(\sum_{i,j}\)=テンプレート内の全マス \((i,j)\) についてたす合図。
  • \(I(x+i,y+j)\)=画像側で、テンプレートを位置 \((x,y)\) に置いたときにマス \((i,j)\) と重なる画素。\(T(i,j)\)=テンプレートのマス。
  • \((x,y)\)=テンプレートを置く位置。左上の座標中心の座標か、問題文の指定を必ず確認する。
なるほどポイント イメージは型紙をずらして重ね、すき間が一番小さい場所を探すだけ。 やることは「置ける位置すべてで指標を計算 → 表にする → SSD/SADなら最小・NCCなら最大のマスを選ぶ」。5b で SSD の手計算、5c で SAD/NCC との違いを見る。
5b

SSD テンプレートマッチング

定義 テンプレート \(T\)(型紙)を画像 \(I\) 上でずらし、各位置で「どれだけ違うか」を測る。代表が SSD=差の二乗和 \(\mathrm{SSD}=\sum(I-T)^{2}\)。重なったマスの差を二乗して全部たすだけ。
仲間に SAD(差の絶対値和)、NCC(正規化相関)がある。ここで向きに注意: SSD・SAD は違いの量なので最小の位置が一番似ている。NCC は似ている度なので最大の位置が一致。
\(\mathrm{SSD}(x,y)=\sum_{i,j}[I(x+i,y+j)-T(i,j)]^{2}\)
(5)
この定義を使う この定義を使うと、テンプレートを置ける全位置で SSD を計算して表に並べ、一番小さいマスを囲めば検出位置が決まる。 下の例題では 5×5 の画像に 3×3 の型紙を置ける9か所すべてで SSD を出す。差を二乗して足すだけなので、作業量は多いが難しさは無い。
例題 【問】(problem11) \[ I=\begin{pmatrix} 1&2&3&2&1\\ 2&3&4&3&2\\ 3&4&10&4&3\\ 2&3&4&3&2\\ 1&2&3&2&1 \end{pmatrix},\quad T=\begin{pmatrix}2&3&2\\3&4&3\\2&3&2\end{pmatrix} \] 移動量1で左上からラスタ走査する。SSD が最小となるテンプレート左上座標(1始まり)と、 そのときのテンプレート中心座標、最小 SSD を求めよ。
解法

求めるもの: 最小SSD・その左上座標(1始まり)・テンプレート中心座標。

使う定義・式(答案の先頭行): \(\mathrm{SSD}(x,y)=\sum[I-T]^{2}\)。SSDは相違度→最小が一致。左上 \((x,y)\) は1始まり、置けるのは \(x,y\in\{1,2,3\}\) の9か所。

① 代表位置の途中式(答案に残す型)
  1. 左上 (1,1): パッチ \(\begin{pmatrix}1&2&3\\2&3&4\\3&4&10\end{pmatrix}\) と \(T\) の差を二乗和 → 72
  2. 上辺中央 (2,1): 差の二乗和 → 57
  3. 中央 (2,2): パッチ \(\begin{pmatrix}3&4&3\\4&10&4\\3&4&3\end{pmatrix}\)。
    差 \(\begin{pmatrix}1&1&1\\1&6&1\\1&1&1\end{pmatrix}\)、二乗和 \(1\times8+36=\mathbf{44}\)。
  4. 対称性より四隅=72、十字の腕=57、中央=44。
② 全候補表と読み取り
x=1x=2x=3
y=1725772
y=2574457
y=3725772
  1. 最小は44 → 左上 (2,2)
  2. 3×3テンプレートの中心は左上から (+1,+1) → (3,3)
最終答え 最小SSD \(=\mathbf{44}\)、左上 \((2,2)\)、中心 \((3,3)\)。

答案に書く文(完成例): 「SSDは最小。表より最小44は左上(2,2)。中心は(3,3)。」

部分点: 9マス表と「最小/左上か中心か」の宣言があれば、1マス計算ミスでも座標の取り方点は残る。

検算済 教材 L11 / problem11
なるほどポイント やったのは定義どおり「差を二乗して全部たす→一番小さい所を選ぶ」だけ。イメージは型紙をずらしてすき間が最小の場所さがし。 最重要の注意: 問題が答えさせているのは「中心座標」か「左上座標」か。ここを取り違えると、計算が全部合っていても座標がずれて失点する。答案の冒頭で「SSDは最小」「求めるのは中心/左上」を宣言してから表を作るとよい。 検算済 教材 L11 / problem11
フェード(別数値) 同じ \(I,T\) ではなく、\(I=\begin{pmatrix}0&4&0\\4&8&4\\0&4&0\end{pmatrix}\), \(T=\begin{pmatrix}0&2&0\\2&4&2\\0&2&0\end{pmatrix}\) の SSD(ずれなし)は □。
解答
  1. 差 \(=\begin{pmatrix}0&2&0\\2&4&2\\0&2&0\end{pmatrix}\)。
  2. 二乗: \(0+4+0+4+16+4+0+4+0=32\)。
最終答えSSD \(=\mathbf{32}\)。
5c

SAD / NCC との使い分け(考察)

定義 SSD の仲間を並べて、いつどれを使うかを整理する。
SAD=差の絶対値和 \(\sum|I-T|\)。二乗しないぶん計算が軽い。ただし1マスの大きな外れ(ノイズ)に対する強弱はSSDと少し違う。
NCC=正規化相互相関。各マスから平均を引きばらつき(ノルム)で割って大きさを揃えてから相関を取る。この「正規化」のおかげで、画像全体が一様に明るく/暗くなっても一致位置が変わりにくいのが長所。値は完全一致で1。
使い分けの軸は「計算量(SAD最軽・NCC重め)」と「明るさ変化への強さ(NCCが強い)」。
この定義を使う この対比を使うと、SSD の手計算を出したあとで「もし照明が変わって画像全体が +10 明るくなったら、どの指標の答えが安定するか」を考察文で書ける。 下の問いは厳密再計算ではなく、なぜそうなるかを言葉で説明できるかを問う。
例題 【問】同じ \(I,T\) で SSD 最小位置が左上 (2,2) だったとする。 画像全体に定数 +10 を足した(一様に明るくした)とき、SSD と NCC で「最適位置」に起こりうる違いを、理由つきで述べよ(厳密再計算は不要)。
解法

求めるもの: SSDとNCCそれぞれで最適位置がどうなりうるか+理由。

使う定義・式(答案の先頭行): SSDは差の二乗和(オフセットが残る)。NCCは平均を引いてから相関(オフセットが消える)。

  1. SSD: 新画像 \(I'=I+10\)。差は \(I'-T=(I-T)+10\)。二乗和に定数オフセットが入り、スコアが全体悪化し最小位置がずれうる
  2. NCC: 各窓で平均を引くので +10 は平均に吸収され消える。模様の相対形が同じなら最大位置は保たれやすい
  3. 対比の核: 「差にオフセットが残るSSD」vs「平均除去するNCC」。
最終答え SSDは最適位置がずれうる(明るさに弱い)。NCCは保たれやすい(強い)。

答案に書く文(完成例): 「一様バイアス+10はSSDの差に残り最小がずれうる。NCCは平均引きでバイアスが消えるため一致位置が安定しやすい。」

部分点: 「SSD=オフセット残る/NCC=平均で消える」の対比1文があれば考察点の大半を取れる。

なるほどポイント 試験の本線は SSD の手計算(5b)。SAD/NCC は語句説明や、この「明るさが変わったら?」型の考察で問われることが多い。 丸暗記ではなく「NCCは平均を引くから明るさ変化に強い」という因果を一言で言えるようにしておくと強い。
試験答案の型 試験答案: 全候補の表→最小を囲む→中心/左上の指定を確認→一言考察。
6

ミーンシフト法

なぜこの章か 「似た色の仲間へ寄っていく」ミーンシフトの応用計算が出る。まず 6a でイメージと記号(\(z=(x,v)\)・\(u^{2}\)・\(K\)・\(h_s,h_d\))をそろえ、6b で1ステップ更新(帯域判定→重み→加重平均)、6c で平滑化後の色の読み方へ進む。毎ステップやることは同じで、ひらめきは不要。
6a

まずは言葉と記号から(ゼロ起点)

この章のイメージと言葉 ミーンシフトは一言でいうと「似た色の仲間が多い方へ、少しずつ寄っていく」手法。近い場所にあって色も近い画素どうしを集める(平滑化・領域分け)。まず言葉をそろえる。
  • 特徴ベクトル \(z=(x,v)\): 1つの画素を「位置 \(x\)(画像上の座標)」と「色 \(v\)(RGBなどの明るさ)」をまとめて表したもの。位置と色の両方で近さを測るのがポイント。
  • カーネル重み付き平均: まわりの点を、近いものは重く・遠いものは軽く扱って取る平均。§2のカーネルと同じ「重み」の考え方。
  • 反復移動: 「重み付き平均の点へ動く」をくり返すこと。動かなくなったら収束。
  • エパネックニコフカーネル: 使う重みの形の名前。帯域(近い範囲)の中では \(1-u^{2}\)、帯域の外では0という単純な山形。遠い点はスパッと重み0にするのが特徴。
  • バンド幅(帯域幅)\(h_s,\,h_d\): 「どこまでを近いとみなすか」の範囲。\(h_s\)=空間(位置)の範囲、\(h_d\)=の範囲(d は濃淡・色の意)。大きいほど広く集める=強く平滑化。
記号の読み方
  • \(u^{2}\)=「中心からの距離を帯域幅で割って二乗した値」。\(u_s^{2}=\|x-x_i\|^{2}/h_s^{2}\)(空間)、\(u_d^{2}=\|v-v_i\|^{2}/h_d^{2}\)(色)。\(u^{2}\le1\) なら帯域、\(>1\) なら
  • \(\|x-x_i\|^{2}\)=2点の距離の二乗(座標の差を二乗して足したもの)。
  • \(K=\max(0,\,1-u^{2})\)=重み。帯域内なら \(1-u^{2}\)、外なら0(マイナスにはしない)。空間と色の重みを掛けて \(w=K_s K_d\)。
  • \(y_0\)=出発点、\(y_1\)=1ステップ後の点(上付き \(x,v\) は位置・色の成分)。
なるほどポイント 1ステップの作業は毎回同じ:①各点が帯域内か調べる(\(u^{2}\le1\)?)②重み \(w=K_sK_d\) を出す ③重み付き平均の位置・色へ動く。 帯域の外の点は重み0でまったく効かない——これが「遠い色は無視して似た色だけで寄り集まる」理由。6b で1ステップ、6c で平滑化の仕上げを見る。
6b

ミーンシフト(空間+色)の1ステップ

定義 各画素を \(z=(x,v)\)(位置と色)で表し、まわりの点のカーネル重み付き平均の位置・色へ動く。これをくり返すのがミーンシフト。
重みはエパネックニコフカーネル \(K=\max(0,1-u^{2})\) を使う。\(u^{2}\) は「距離を帯域幅で割って二乗」した値で、空間は \(u_s^{2}=\|x-x_i\|^{2}/h_s^{2}\)、色は \(u_d^{2}=\|v-v_i\|^{2}/h_d^{2}\)。 1つの点の重みは空間の重みと色の重みの積 \(w=K_sK_d\)。両方とも近くないと重くならない。
この定義を使う この定義を使うと、各点について「①帯域内か(\(u^{2}\le1\)か)→②重み \(w\) →③重み付き平均」の順で1ステップ更新を手で追える。 下の例題では3点だけの小さな設定で、遠い点の重みが0になる様子まで確認する。まず各点の \(u_s^{2},u_d^{2}\) を出すところから始める。
例題 【問】(problem10_2) \(z_1=(0,0,200,0,0)\), \(z_2=(1,0,190,0,0)\), \(z_3=(10,10,0,200,0)\)、 \(h_s=2\), \(h_d=20\)。初期値 \(y_0=z_1\) の1ステップ後の空間位置 \(y^x_1\) と色 \(y^v_1\) を求めよ。
解法

求めるもの: 1ステップ後の空間 \(y^x_1\) と色 \(y^v_1\)(特にR)。

使う定義・式(答案の先頭行): \(u_s^{2}=\|x-x_i\|^{2}/h_s^{2}\)、\(u_d^{2}=\|v-v_i\|^{2}/h_d^{2}\)、\(K=\max(0,1-u^{2})\)、\(w=K_sK_d\)、加重平均へ移動。\(h_s=2,h_d=20\)、\(y_0=z_1\)。

① 各点の帯域判定と重み
  1. \(z_1\): 距離0 → \(u_s^{2}=u_d^{2}=0\) → \(K_s=K_d=1\) → \(w_1=1\)。
  2. \(z_2\): 空間 \(\|x\|^{2}=1\) → \(u_s^{2}=1/4\)。色差R=10 → \(u_d^{2}=(10/20)^{2}=1/4\)。
    \(K_s=K_d=3/4\) → \(w_2=(3/4)^{2}=9/16\)。
  3. \(z_3\): 空間 \(\| (0,0)-(10,10)\|^{2}=200\) → \(u_s^{2}=200/4=50>1\)。
    色も大きく離れる → \(K_s=K_d=0\) → \(w_3=0\)(帯域外)。
② 加重平均
  1. 総重み \(W=1+9/16=25/16\)。
  2. 空間: \(x=\bigl(1\cdot(0,0)+(9/16)(1,0)\bigr)/W=(9/16)/(25/16)=(9/25,0)=(\mathbf{0.36},0)\)。
  3. 色R: \(\bigl(1\cdot200+(9/16)\cdot190\bigr)/W=(200+106.875)/(25/16)=306.875\cdot16/25=\mathbf{196.4}\)。G=B=0。
最終答え \(y^x_1=(0.36,0)\)、\(y^v_1\approx(196.4,0,0)\)。

答案に書く文(完成例): 「\(w_1=1,w_2=9/16,w_3=0\)。加重平均で \(x=(0.36,0)\)、R=196.4。\(z_3\) は \(u^{2}>1\) で寄与0。」

部分点: 各点の \(u^{2}\) と \(w\) の表があれば、最終平均の計算ミスでも帯域判定点は残る。

AI整理・検算済 教材 L10 / problem10_2
なるほどポイント 定義の「帯域外は寄与0」「加重平均へ動く」を数値で見た。遠い緑点 \(z_3\) は引っ張らない。 分数は約分してよいが、式と代入過程は残す。 AI整理・検算済 教材 L10 / problem10_2
フェード 初期値を \(z_2\) にした1ステップの空間 \(x\) は □(約0.64)。\(z_3\) 初期なら重みは自分以外 □。
解答
  1. \(y_0=z_2\): \(w_2=1\)、\(w_1=(3/4)^{2}=9/16\)、\(w_3=0\)。\(W=25/16\)。
  2. \(x=\bigl((9/16)(0,0)+1\cdot(1,0)\bigr)/W=(1)/(25/16)=(16/25,0)=(\mathbf{0.64},0)\)。
  3. \(y_0=z_3\) なら他点は帯域外 → 自分以外の重みはすべて 0
最終答え\(x\approx(0.64,0)\)。\(z_3\) 初期では他点重み0。
6c

平滑化結果の読み方

定義 各画素を初期値として収束(または指定ステップ)させたあと、収束後の色をその画素の新しい色にする。 これがミーンシフト平滑化(エッジを保ちやすい平滑)の試験でのゴール表現。
この定義を使う この手続きを使うと、「どの画素がどの色クラスに吸収されたか」を帯域の話で説明できる。
例題 【問】上の3点について、各初期値から1ステップ(または収束)後の色を並べ、 \(z_3\) が他と混ざりにくい理由をバンド幅で述べよ。
解法

求めるもの: 3初期値それぞれの1ステップ後の色+\(z_3\) が混ざらない理由。

使う定義・式(答案の先頭行): 帯域外は \(K=0\)。色の更新は重み付き平均。\(h_s=2,h_d=20\)。

  1. \(y_0=z_1\) → 色 ≈(196.4, 0, 0)(赤同士で均される)。
  2. \(y_0=z_2\) → 色 ≈(193.6, 0, 0)(同様に赤クラス)。
  3. \(y_0=z_3\) → 色 =(0, 200, 0) のまま(\(w_1=w_2=0\))。
  4. 理由: \(z_3\) は空間・色とも \(u^{2}>1\) で帯域外。\(h_s,h_d\) がこの距離より小さいため他点と混ざらない。
最終答え \(z_1\!\to\!(196.4,0,0)\)、\(z_2\!\to\!(193.6,0,0)\)、\(z_3\!\to\!(0,200,0)\)。混ざらない理由はバンド幅外で重み0。

答案に書く文(完成例): 「\(z_3\) は空間距離・色距離が \(h_s,h_d\) の帯域を超えカーネルが0になるため、他の赤点と平均されない。」

部分点: 「\(u^{2}>1\) で重み0」と書けていれば、色の数値ミスでも理由点は取れる。

なるほどポイント 計算量の話より「帯域外は寄与0」「加重平均へ動く」の2点を答案の主軸にする。 ガボールやベクトル化は周辺・対象外。時間をミーンシフトの手計算に使う。
試験答案の型 試験答案: 帯域判定→カーネル重み→加重平均→初期値違い→平滑化後の色。
7

補足:ハフ・フロー・符号化

なぜこの章か 練習問題にあり試験の周辺知識。主5問(§2〜§6)を固めたあとの加点枠。まず 7a で言葉と記号をそろえ、7b でハフの代入、7c で光学フロー(自由度不足)と JPEG(量子化で情報が落ちる)を押さえる。定義の式を書いて代入できるかが最低ライン。
7a

まずは言葉と記号から(ゼロ起点)

この章で初めて出る言葉 主5問の周辺(加点枠)。3つの話題の言葉を軽くそろえておく。
  • ハフ変換: 点の集まりから直線や円を見つける方法。各点が「自分を通りうる直線」に投票し、票が集まった直線を検出する。
  • パラメータ空間: 直線を「傾きなどのパラメータの値の組」で表す空間。画像上の1点は、この空間では1本の曲線になる。曲線が交わる所=多くの点が通る直線。
  • 光学フロー(オプティカルフロー): 連続する動画の前後フレームで、各画素がどの向きにどれだけ動いたかを表す動きベクトル \((u,v)\)。
  • 符号化(JPEG): 画像を小さいデータに圧縮する方式。見た目の劣化を抑えつつ容量を減らす。
記号の読み方
  • \(\theta\)(シータ)=直線の傾きを表す角度。\(\rho\)(ロー)=原点から直線までの垂線の長さ。直線を \((\theta,\rho)\) の2つで表す。
  • \(\rho=x\cos\theta+y\sin\theta\)=点 \((x,y)\) を通り、角度 \(\theta\) に対応する直線の \(\rho\)。
  • \(I_x,I_y\)=画像の明るさの横・縦方向の傾き(勾配)。\(I_t\)=時間方向の明るさ変化(フレーム間の差)。\((u,v)\)=求めたい動きベクトル。
  • DCT(離散コサイン変換)=画像を「コサイン波の混ざり具合」に変える変換。低周波(ゆるい成分)にエネルギーを集める。JPEG の中心。
なるほどポイント どれも主5問の次点。定義の式を書いて数値を代入し、キーワード(投票/自由度不足/量子化)を落とさないのが加点のコツ。7b でハフの代入、7c でフローと符号化を見る。
7b

ハフ変換(直線)

定義 直線を、傾きの角度 \(\theta\) と原点からの垂線の長さ \(\rho\) の2つで表す: \(\rho=x\cos\theta+y\sin\theta\)。
考え方: 画像上の1点 \((x,y)\) を固定して \(\theta\) を動かすと、\((\theta,\rho)\) 空間(パラメータ空間)では1本の曲線になる。 別々の点から引いた曲線が交わる \((\theta,\rho)\) は、「それらの点をまとめて通る直線」を表す。多くの点が同じ所に投票した山=直線検出。
\(\rho=x\cos\theta+y\sin\theta\)
(6)
この定義を使う この式を使うと、点と角度 \(\theta\) が与えられたとき \(\rho\) を計算でき、複数点で \(\rho\) が一致すれば「同じ直線の上にある」と判定できる。 下の例題では2点について同じ \(\theta\) で \(\rho\) を出し、一致するかを確かめる。
例題 【問】点 P1\((2,0)\)、P2\((0,2)\) について \(\theta=45^\circ\) のときの \(\rho_1,\rho_2\) を求め、 同一直線候補かどうか判定せよ。直交座標の式も書け。
解法

求めるもの: \(\rho_1,\rho_2\)、同一直線候補か、直交座標の式。

使う定義・式(答案の先頭行): \(\rho=x\cos\theta+y\sin\theta\)。\(\theta=45^\circ\) で \(\cos=\sin=1/\sqrt{2}\)。

  1. \(\rho_1=2\cdot(1/\sqrt{2})+0=\sqrt{2}\)。
  2. \(\rho_2=0+2\cdot(1/\sqrt{2})=\sqrt{2}\)。
  3. \(\rho_1=\rho_2\) → 同一直線候補(この \(\theta\) で同じ投票ビン)。
  4. 直交座標: 両点を通る \(y=-x+2\)。
最終答え \(\rho_1=\rho_2=\sqrt{2}\)(同一直線候補)。\(y=-x+2\)。

部分点: 式を書いて代入できれば、判定文が短くても点が入る。

教材 L12–L13 / problem12–13
なるほどポイント ハフは「点の証拠をパラメータ空間に積み上げる投票」。主5問の次点だが、代入は短く得点源。 教材 L12–L13 / problem12–13
7c

光学フローと符号化(周辺)

定義 光学フロー: 動画で「同じ点は前後フレームで明るさが変わらない」と仮定すると、動きベクトル \((u,v)\) について 基本拘束式 \(I_x u+I_y v=-I_t\) が立つ(\(I_x,I_y\)=空間の明るさ勾配、\(I_t\)=時間方向の変化)。 式は1本なのに未知は \(u,v\) の2つ——だからこれだけでは解けず、追加の仮定(近くは同じ動き、など)が要る。これを開口問題(自由度不足)と呼ぶ。
JPEG: 骨格はレベルシフト(値の基準ずらし)→ DCT(コサイン波成分に変換)→ 量子化(細かく刻んで丸める)→ ジグザグ走査→符号化。このうち情報が実際に落ちる(非可逆になる)のは量子化の段階。
この定義を使う この拘束式を使うと、勾配 \(I_x,I_y\) と時間差分 \(I_t\) が与えられたとき、式に代入して「未知2・式1なので一意に決まらない」と自由度の観点で指摘できる。
例題 【問】(1) \(I_x=2,\,I_y=-1,\,I_t=4\) のとき拘束式を書け。未知は何か。
(2) JPEG で情報が主に落ちる段階はどこか。
解法

求めるもの: 拘束式・未知の個数/JPEGで情報が落ちる段階。

使う定義・式(答案の先頭行): \(I_x u+I_y v=-I_t\)。JPEGは量子化で非可逆。

  1. (1) 代入: \(2u+(-1)v=-4\) → \(2u-v=-4\)。未知は \((u,v)\) の2つ、式は1本 → 一意に決まらない(開口問題)。
  2. (2) 情報が主に落ちるのは量子化
最終答え (1) \(2u-v=-4\)(未知2・式1)。(2) 量子化。

部分点: 「未知2・式1」または「量子化」のキーワードだけで周辺点を拾える。

なるほどポイント 優先度はフィルタ・復元・TM・ミーンシフトの次。出たら定義と1ステップで部分点を取りにいく。 細線化〜折れ線近似のベクトル化手順は試験対象外(out-of-scope)。
試験答案の型 試験答案: 定義の式を書いて代入。投票/拘束/量子化のキーワードを落とさない。

用語集(43語)

用語定義
画素(ピクセル)ディジタル画像の最小単位。位置と輝度/色値を持つ5×5画像は25画素
階調輝度の量子化レベル数。8bitなら0〜255bit深度とほぼ同義
空間周波数画像平面上での輝度変化の細かさ。高いほど細かい模様エッジは高周波成分を含む
濃淡変換各画素の輝度を関数で写す点演算(ヒストグラム操作など)明るさ・コントラスト変換
明るさ変換全画素に定数を加減し全体の明るさを変える\(f^{\prime}=f+b\)
コントラスト変換輝度の差を拡大/縮小する傾き\(a\)の線形変換 \(f^{\prime}=af+b\)
ヒストグラム各階調の出現頻度の分布平坦化でコントラスト改善
空間フィルタリング近傍画素の重み付き結合で出力を作る処理畳み込みと同義に扱うことが多い
周波数領域フィルタDFT後にスペクトルを操作してから逆変換理想LPF/HPFなど
畳み込み(たたみ込み)カーネルと画像の対応要素積の和\(g=f\ast h\)
カーネル/マスクフィルタの重み配列(例: 3×3)平滑化・先鋭化・微分
平均化フィルタ近傍の平均で平滑化しノイズを抑えるエッジもぼける
ガウシアンフィルタ距離に応じた正規分布重みの平滑化平均化より自然にぼける
先鋭化フィルタ中心を大きく周囲を負にして高周波を強調する空間フィルタピークが立ちオーバーシュートしうる
メディアンフィルタ近傍中央値。非線形。塩胡椒ノイズに強いエッジ保存しやすい
ラプラシアン2階微分に基づくエッジ強調フィルタ先鋭化カーネルの核
点拡がり関数(PSF)点が像面上でどう広がるかを表す劣化カーネル焦点ぼけのモデル
劣化関数(劣化フィルタ)原画像に畳み込まれる空間フィルタ。PSFと同趣旨周波数では \(H\)
劣化モデル\(g=f\ast h\)(+雑音)。周波数では \(G=FH\)復元の出発点
逆フィルタ\(K=1/H\) で復元。\(H\approx 0\) で発散し雑音が増幅理想条件以外は危険
ウィナーフィルタ復元誤差を最小化するフィルタ。雑音項で正則化\(W=H^{*}/(|H|^{2}+\Gamma)\)
2値化閾値などで前景/背景の2値にする処理ラベリング・輪郭の前処理
2値画像前景/背景の2値だけの画像ラベリング・輪郭の土台
4連結/8連結上下左右のみ/斜めも含めた隣接定義輪郭・ラベリング結果が変わる
ラスタスキャン左上から右へ、次の行へ進む走査順ラベリングやTMの走査
輪郭追跡境界画素を一定規則で辿り輪郭を抽出チェーンコードと併用
ラベリング連結成分ごとに番号を付けるLUTで結合を解決
テンプレートマッチング標準パターンを画像上でずらし類似位置を探すSSD/SAD/NCC
SSD差の二乗和。0に近いほど一致最小位置が検出位置
SAD差の絶対値和SSDより計算が軽い場合あり
NCC正規化相互相関。一致で最大1明るさ変化に比較的強い
ミーンシフト密度が高い方向へ標本を反復移動する手法平滑化・セグメンテーション
エパネックニコフカーネル帯域内で \(1-u^{2}\) の形を持つカーネルミーンシフトの重み
バンド幅 hs, hd空間/色のカーネル幅。大きいほど強く平滑化problem10_2 では hs=2, hd=20
ハフ変換点をパラメータ空間に投票し直線・円を検出\(\rho=x\cos\theta+y\sin\theta\)
ガボールフィルタガウス窓×正弦で方向・周波数を選択的に抽出テクスチャ解析
光学フロー連続フレーム間の見かけの動き場 \((u,v)\)制約式 \(I_{x}u+I_{y}v+I_{t}=0\)
再標本化幾何変換後に格子点の値を補間で決める逆変換+補間が定石
バイリニア補間周囲4点の加重平均ジャギー低減、エッジは鈍る
ベクトル化細線化後に端点・分岐で線分近似する処理本試験では出題対象外
細線化連結性を保ち線幅1まで削るベクトル化の前処理
JPEGDCT+量子化+ジグザグ+符号化の圧縮ブロック単位処理
DCT離散コサイン変換。低周波にエネルギーを集めるJPEGの核

足場かけ演習(worked → faded → solo)

紙で先に · solo 紙で先に solo を解け。画面の「解答例」は見ない。70分想定なら型A→B→Cをこの順で手計算し、終わってからフェード/ワークで採点する。 答えを見た瞬間に「わかった気」になるのが一番危ない。

章本文は定義→使う→例題→解法→なるほど。ここは手数の反復(完成例→空欄→自力)。 模範解答はAI整理(公式正解ではない)

型A:ウィナー復元(problem8系)〈第3問〉

① ワーク(完成例)

求めるもの / 使う式: \(W=H^{*}/(|H|^{2}+\Gamma)\)、\(\hat{F}=WG\)、IDFT。\(f=[[1,0],[0,0]]\), \(h=[[1,1],[1,1]]\), \(\Gamma=1\)。

  1. DFT: \(H_{00}=4\)(他0)、\(G_{00}=4\)。
  2. \(W_{00}=4/(16+1)=4/17\)。
  3. \(\hat{F}_{00}=(4/17)\cdot4=16/17\)。
  4. IDFT: 各要素 \(=4/17\)。
② フェード(別数値) \(f=[[1,0],[0,0]]\), \(h=[[1,1],[1,1]]\), \(\Gamma=3\) のとき \(W_{00}=4/(16+\square)=\square\)。\(\hat{F}_{00}=\square\)。
解答
  1. \(\Gamma=3\) → 分母 \(19\) → \(W_{00}=4/19\)。
  2. \(\hat{F}_{00}=16/19\)。
  3. 各要素 \(=4/19\)。
最終答え\(W_{00}=4/19\)、\(\hat{F}_{00}=16/19\)、各要素 \(4/19\)。
③ 自力(solo・別数値) \(f=[[3,0],[0,0]]\), \(h=[[1,1],[0,1]]\), \(\Gamma=2\)。\(H_{00}\) と \(W_{00}\)、\(\hat{f}\) を求めよ。
解答例

使う式: \(W=H^{*}/(|H|^{2}+\Gamma)\)、\(\hat{F}=WG\)。

  1. \(H_{00}=\) 要素和 \(=3\)。\(F\) は全成分3(\(f\) が左上3)。
  2. \(G=FH\) より \(G_{00}=3\cdot3=9\)。他成分も \(W\cdot G\) で残る(fft2検算)。
  3. \(W_{00}=3/(9+2)=3/11\)。\(\hat{F}_{00}=(3/11)\cdot9=27/11\)。
  4. IDFT後 \(\hat{f}\approx[[1.364,0.364],[0.364,0.364]]\)。
最終答え\(H_{00}=3\), \(W_{00}=3/11\), \(\hat{f}\approx[[1.364,0.364],[0.364,0.364]]\)。

部分点: \(H_{00}\) と \(W_{00}\) の代入式が合っていれば、IDFTの小数ミスでも過程点。

型B:SSDテンプレート(problem11系)〈第4問〉

① ワーク

使う式: \(\mathrm{SSD}=\sum(I-T)^{2}\)。最小が一致。

I中央が10の山、Tが裾。9候補表 → 最小44 → 左上(2,2) → 中心(3,3)。
② フェード(別パッチ) \(I=\begin{pmatrix}0&4&0\\4&8&4\\0&4&0\end{pmatrix}\), \(T=\begin{pmatrix}0&2&0\\2&4&2\\0&2&0\end{pmatrix}\) の単一位置(ずれなし)のSSDは□。
解答
  1. 差 \(=\begin{pmatrix}0&2&0\\2&4&2\\0&2&0\end{pmatrix}\)。
  2. 二乗和 \(0+4+0+4+16+4+0+4+0=32\)。
最終答えSSD \(=32\)。
③ 自力(solo・別I,T) \[ I=\begin{pmatrix}0&1&2&1&0\\1&2&8&2&1\\2&8&9&8&2\\1&2&8&2&1\\0&1&2&1&0\end{pmatrix},\quad T=\begin{pmatrix}1&2&1\\2&3&2\\1&2&1\end{pmatrix} \] 9候補のSSD最小の左上(1始まり)と最小SSDを求めよ。
解答例

求めるもの: 最小SSDとその左上。SSDは最小。

  1. 9候補を計算(対称性あり)。表:
    x=1x=2x=3
    y=1142172142
    y=2172184172
    y=3142172142
  2. 最小は四隅の142。中央(2,2)は184(ピークずれ)。
最終答え最小SSD \(=142\)。左上は (1,1),(3,1),(1,3),(3,3) のいずれか(同点)。

部分点: 9マス表と「最小」宣言があれば、同点の列挙漏れでも方針点。

型C:ミーンシフト1ステップ(problem10_2系)〈第5問〉

① ワーク

使う式: \(u^{2}\)、\(K=\max(0,1-u^{2})\)、\(w=K_sK_d\)、加重平均。

\(y_0=z_1\): \(w_1=1\), \(w_2=9/16\), \(w_3=0\) → \(x=(0.36,0)\), R≈196.4。
② フェード z3 の重みが0になる理由は、□がバンド幅を超えるから。
解答
  1. 空間距離・色距離を \(h_s,h_d\) で割って \(u^{2}\) を出す。
  2. どちらも \(u^{2}>1\) → \(K=0\) → 重み0。
最終答え空間距離および色距離(バンド幅を超える距離)。
③ 自力 初期値を z2 にした1ステップの空間位置と色Rを求めよ。
解答例
  1. \(w_2=1\), \(w_1=9/16\), \(w_3=0\)。\(W=25/16\)。
  2. \(x=(16/25,0)=(0.64,0)\)。
  3. R \(=(1\cdot190+(9/16)\cdot200)/W=193.6\)。G=B=0。
最終答え\(x\approx(0.64,0)\), R≈193.6。

型D:畳み込み+複数出力〈第2問〉

① ワーク §2c の 4×4・ピーク10。平均化は有効2×2がすべて \(26/9\)。先鋭化は [[2,-6],[-6,42]]。 考察: 平均はピーク沈下=ぼけ、先鋭は42と隣-6=立ち+オーバーシュート。
② フェード 先鋭化の右下42は「ピークが□する」、左上2はピークから□れてほぼ平坦、と書く。
解答
最終答え立つ/離。

答案に書く文: 「右下42はピークが立つ。左上2はピークから離れてほぼ平坦。」

③ 自力 画像 [[1,1,1],[1,9,1],[1,1,1]] に平均化1/9と先鋭化 [[0,-1,0],[-1,5,-1],[0,-1,0]] を中心1画素に適用し、数値と考察を書け。
解答例
  1. 平均: 和 \(1\times8+9=17\) → \(17/9\approx1.89\)。
  2. 先鋭: \(5\cdot9-1-1-1-1=45-4=41\)。
  3. 考察: 平均はピーク沈下=ぼけ。先鋭は41まで強調=エッジが立つ。
最終答え平均 \(17/9\)(ぼけ)/先鋭 41(立つ)。

型E:輪郭・ラベリング〈第3問・2値側〉

① ワーク problem9_2: 開始 (1,1) → 列 (1,1)(2,1)(3,2)(2,3)(1,2)(1,1)。problem9_3: 仮ラベルで成分1と2、LUTは恒等。
② フェード U字ミニで (2,1) に仮ラベル1と2が同時に見えたら LUT は □。
解答
  1. 衝突=同一成分に別仮番号。
  2. 小さい方へ統合: \(2\mapsto1\)。
最終答え\(2\mapsto1\)。
③ 自力 problem9_2 と同じ図で、開始点の次の次の輪郭座標を答えよ。また problem9_3 の右塊の最終ラベル番号を答えよ。
解答例
  1. 列: (1,1)→(2,1)→(3,2)→… なので次の次は (3,2)。
  2. problem9_3 の右塊は仮ラベル2のまま、LUT恒等 → 最終ラベル 2
最終答え次の次 (3,2)。右塊ラベル 2。

確信度診断

間違いノート

localStorage: sg:image-processing:journal

まだありません。

出典・頁マトリクス

26
カバレッジ行
43
用語
36
診断
1
ベクトル化除外

out-of-scope(偽 covered 解消): ベクトル化・細線化手順、射影変換(problem9_1)のフル解法、ガボールカーネル手計算は未収録(用語のみ/主5問外)。幾何変換の再標本化も語句レベル。

トピック状態試験アンカー
導入・画像処理の全体像L1covered#ch1
画像の表現・標本化・空間周波数L2covered#ch1
画像生成の光学的モデルL3covered#ch1
濃淡変換・明るさ・コントラストL4covered#ch1
色表現L5covered#ch1
空間フィルタリング基礎L6covered#ch2
空間/周波数フィルタリングL7covered#ch2
画像の劣化と復元(逆・ウィナー)L8covered#ch3
2値画像・輪郭追跡・ラベリングL9covered#ch4
幾何学的変換・再標本化(第9回)L9out-of-scope#ch7
ガボール/ミーンシフト(第10回・計算)L10covered#ch6
ガボールフィルタ(第10回・計算フル)L10out-of-scope#ch6
線画像のベクトル化・細線化L10out-of-scope#ch1
テンプレートマッチング(SSD等)L11covered#ch5
ハフ変換・図形要素検出L12covered#ch7
動画像・符号化(JPEG概要)L13covered#ch7
練習問題8(劣化・ウィナー)L8covered#scaffold
練習問題9(輪郭・ラベリング)L9covered#ch4
練習問題9_1(射影変換)L9out-of-scope#ch7
練習問題9_2(輪郭追跡)L9covered#ch4
練習問題9_3(ラベリング・LUT)L9covered#ch4
練習問題10(ミーンシフト中心)L10covered#ch6
練習問題10(ガボール計算)L10out-of-scope#ch6
練習問題11(SSDテンプレート)L11covered#ch5
練習問題12(ハフ・フロー)L12covered#ch7
練習問題13(JPEG/DCT)L13covered#ch7

教材: lectures/materials/image_processing。解答はAI整理・一部数値は生成時に検算。

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